鹿児島全共は、種雄牛候補や繁殖雌牛を生体で審査する「種牛の部」(1~6区)、枝肉を評価する「肉牛の部」(7、8区)、将来の担い手育成を目的にした「高校・農業大学校の部」(特別区)に分かれる。九つの出品区に計約460頭が出品される予定だ。
全出品区で最多の39道府県が参加する8区「去勢肥育牛」は、16日までに24道府県が出品牛を決定。うち14府県は、家畜改良事業団が所有する種雄牛「福之姫」の産子を選んだ。枝肉重量や脂肪交雑(さし)に優れ、市場での評価が高い牛だ。8区は血統に条件を付けておらず、全国で利用できる「福之姫」に人気が集中した。一方、九州勢は大分県が「葵白清」、宮崎県は「勝光美」など自県産種雄牛の産子が目立つ。
同じ種雄牛を親に持つ生体の雌牛と去勢肥育牛の枝肉を評価し、大会の「花形」とされる6区「総合評価群」には15道県が参加する。16日までに14道県が出品牛を決めた。出品牛の父は自県産に限定。好成績を収めれば、種雄牛の繁殖能力と産肉能力の両方をアピールできるため、各道県はエース格の種雄牛の産子で臨む。
2017年の宮城全共の総合評価群で1位の優等賞1席を獲得した宮崎県は「満天白清」の産子を出品。父は県の名牛「安平」で、子牛市場での人気も高い。同2位だった鳥取県は「元花江」の産子を出品する。父は「安福久」で、脂肪交雑の高さを受け継ぐ。
27年に次回の全共を開催する北海道は「勝平1」の産子を出品する。交雑種(F1)の父に広く使われ、黒毛和種でも評価が高まっている。大分県は種牛性に優れる「美馬桜」、岐阜県は増体に優れる「広茂清」で出品を決めた。開催県の鹿児島県は29日までに出品牛を決定する。