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[四季]10/28
掲載日:08-10-28
ニホンオオカミは1905年、奈良県で捕獲されたのを最後に姿を消した。その後も目撃情報はあるが公式確認はなく、絶滅したとされている▼食物連鎖のトップにいたオオカミはシカやイノシシを餌とし、農業にとっては益獣だった。今年の文化庁映画賞で優秀賞を受賞した「オオカミの護符」(ささらプロダクション)は今も残るオオカミ信仰を描いたドキュメンタリー▼住宅地に点在する旧家の蔵や門にオオカミの姿を刷り込んだお札が張ってある。農村地帯だったこの地では、毎年、集落の代表が“お山”へお札を取りに行く行事があり、260年以上も続いている。オオカミは農作物を守り、家と村を守ってくれる▼由井英監督は「信仰は山への感謝の表現であった」と語る。下流の農村が、水と肥よくな土をもたらしてくれる源流の山に対する思いを映像にした。また、オオカミの出産の遠吠(ぼ)えが聞こえると、その場所に赤飯をそなえた山の人々の深い信仰も伝える▼絶滅の原因は、狂犬病の流行と、病気のために凶暴になって家畜や人を襲ったためともいわれる。獣害防止のため、もう一度、森にオオカミを放とうと提案している学者らもいる。それよりも人間が山に感謝する心を取り戻すことが先だと考えさせられた映画だった。









