鹿児島県南九州市川辺町古殿地区の農事組合法人・どんどんファーム古殿は水田の利用率200%を目指し、効率農業を展開中だ。2009年から耕作放棄地の畑地対策に乗り出し、約2.5ヘクタールを再生。「安定経営の第一歩は農地を荒らさない」を基本に、女性や高齢者が元気な集落営農を実践する。
法人は05年、機械利用組合から集落営農を実践する県内初の法人として立ち上がった。組合員は60人、経営面積は約11ヘクタール。09年度は水稲7.7ヘクタール、カンショ11ヘクタール、タマネギ2ヘクタール、ブロッコリー1ヘクタール、大豆40アール、ソバ40アール、麦40アールのほか、水稲の裏作に飼料作物を作る。また、水稲を作業受託した。
活動は水稲などの作業を請け負うオペレター部会のほか、軽量作業を請け負う女性を中心の高齢者グループ「若葉会」、加工品開発を請け負う女性グループ「どんどんプリティ」が活躍する。事務局長で理容院を営む水溜一紀さん(60)は「女性、高齢者の働き場づくりを進めてきたが、今は一番、活動を支える存在だ」と話す。09年は「若葉会」と「どんどんプリティ」にそれぞれ700万〜800万円を支払った。
地区の認定農業者は4人で兼業農家や非農家がほとんど。水溜さんは「すでに農地は農家だけのものでない。集落全体で守らないと駄目だ」と話す。水田の利用率200%を目指すほか、09年から耕作放棄地が増えている畑地の再生にも乗り出した。昨年は2ヘクタールを、今年はすでに50アールを再生。再生した畑地で今年は麦みそ用の麦を生産している。地元の学校などと進めている食農教育の一環として子どもたちと麦踏みに挑戦した。
古殿地区の旬の農産物や加工品の詰め合わせセット「どんどん通心便」の全国販売などを手掛けるなど販売も工夫する。利益は地元へ還元しながら、水溜さんは「交付金は活用するが、万一に備えて自立できる体力のある法人にしたい」と、地元を守る力強い存在を目指す。







