福井県農業試験場は、通常より早く収穫したソバの特徴を保持する適切な乾燥、貯蔵方法を開発した。早期収穫ソバは風味が良く緑色が濃いため、実需者からの要望も高いことから、県内ソバの振興につなげたい考え。
ソバの実の成熟度を示す黒化率が40〜60%になった時を目安に、通常より1週間以上早く刈り取るものを早期収穫ソバと呼んでいる。これは、緑色が美しく、ルチンなどの機能性成分を多く含んでいるが、水分が高いため、これまで乾燥、貯蔵方法が確立されていなかった。
県農試の作物研究グループと県食品加工研究所の技術開発研究グループの試験研究の結果、(1)刈り取り後はできるだけ早く(4時間以内)乾燥を開始(2)平均穀温30度前後に加温し、15〜20時間程度で乾燥を終了(3)貯蔵はできるだけ低温(4度以下)で透湿性の低い包装材で保存――などの処理が望ましいことが分かった。収穫した後、乾燥までの時間が長いと、ルチン含量や抗酸化性が低下し、そば粉の緑色も失われていく。また、貯蔵は4度以下なら1年間、収穫直後の緑色が保持されるという。
9日にはこの技術を紹介する検討会が、坂井市の県食品加工研究所で開かれた。生産者や製粉業者、JAなどから約20人が参加。常温乾燥し、紙袋で室温貯蔵したそばと穀温30度で乾燥し、4度で密封貯蔵したそばを食べ比べた。新技術を応用したそばの方が緑色をしているという意見があった一方で、香りや味の差があまり分からないという参加者もあった。また、低温貯蔵にコストがかかることや室温に戻す時に結露しないかなどの懸念も出ていた。
同県の昨年のソバの作付面積は2730ヘクタールで全国4位、生産量は1060トンで5位となっている。このうち、早期収穫ソバは1割程度にとどまっているが、新技術を取り入れながら、実需者ニーズに応じた生産に取り組み、有利販売に努めていく。
(ふくい)













