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論説
農産物直売所/高齢者への対応を急げ
掲載日:2010-2-4 12:47:00

 季節の産物が並ぶ農産物直売所へ出向くのを楽しみにする人は多い。売り台の産物を眺めたり、POP(購買時点広告)を読んだりすると、季節や農家の暮らしを感じる。だが、直売所へ行きたくても行けない人たちがいる。地域に住む「交通弱者」のお年寄りだ。地産地消の拠点として存在感を増す直売所は、さまざまな地域貢献策をとっているが、「食育」に偏るきらいがある。地域の先輩、JAの先輩であるお年寄りへの目配りも考えたい。

 まずは、直売所へ出荷する高齢会員への対応だ。お年寄りが庭先の畑で孫をかわいがるように育てた作物を、直売所まで日々運ぶのは大変だ。車の免許を持たない人もいる。お年寄りが丹精して作った少量の作物や漬物を直売所に並べる手伝いを考えたい。

 直売所会員は高齢化し、担い手づくりが共通の課題である。各地の直売所で育成策を探るが、スムーズに進んでいない。ならば、現役のお年寄りにできるだけ長く活躍してもらうことだ。直売所側が集荷を担えば、まだまだ生産を継続できるお年寄りは多い。

 直売所による集荷は、既に各地で取り組みが芽生えている。福井県では今年度から、「ふるさと畑緊急総合サポート事業」を始め、直売所側の集荷に道筋を付けようとしている。この事業は、中山間地域などで高齢であったり、輸送手段がなかったりして出荷されない農産物を集めるため、直売所に集荷費用を一部助成する事業だ。いずれ、どの直売所も取り組まなければならない課題といえよう。

 次は地域に住む高齢の消費者対策だ。買い物にも不自由するお年寄りは着実に増えている。今、スーパーや生協が行う「ネットスーパー」の利用が増え、幼児を抱えた女性だけでなく、お年寄りにも利用が広がっている。直売所としても検討すべき課題である。JA直営店では、福岡県JA北九のアンテナショップ「土間もやい 黒崎店」が、買い物した商品を当日、自宅に配達する「お買いもの便サービス」を始め、高齢者らから好評だ。買い物に出づらいお年寄りから注文を取り、届ける事業へ進展すれば、さらに喜ばれよう。ぜひ実現してもらいたい。

 直売所の良さは、生産者を身近に感じながら買い物ができる点だ。友達や知り合いの産物を見るのも楽しい。宅配では味わえない楽しみだ。具体的な対策はまだ見られないが、マイクロバスなどで巡回し、お年寄りを直売所に案内できないだろうか。行政や福祉団体と連携して、デイサービスなどの送迎で直売所ルートを作りたい。5億円以上を売り上げるJA直営の大型直売所が各地にでき、地産地消の拠点としての地位を確立してきた。JA直売所が「弱者への目配り」をすれば、直売所の、そしてJAの社会的地位を高め、地域の人々から信頼されることにつながる。

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