きょうは「農山漁村女性の日」。農林漁業に従事する女性に、これだけスポットが当たったのは、生きる糧の食料を支えているにもかかわらず、経済的・社会的な地位があまりにも低かったからだ。今年で23回目。地位の改善は進んだが道半ばだ。本質的な課題を掘り下げ、その改革に挑む決意を新たにしたい。
農林漁業に従事する女性の地位向上は、幾世代も続く取り組みだ。そこに大きな変革をもたらしたのは、1979年に国連が女性差別撤廃条約を採択したことと、それを日本が批准したことだった。条約は「農村女性に対する差別を撤廃するためのすべての適当な措置をとるものとし・・・・・・」と、農村女性対策を明確に規定した。
そのため、その後の女性政策の基本となる国内行動計画や新国内行動計画などに農村女性対策が明記された。農村は、伝統的な価値観に支配されがちなだけに、「固定的な性別役割分担意識に基づく慣行や慣習の解消」もうたった。JAや農業委員会など地域農業の方針決定の場への女性参画の促進も掲げた。農山漁村女性の日も、その一環でできた。「農山漁村女性の役割を正しく認識し、適正な評価への機運を高め、女性の能力の一層の活用を促進する」ことが目的だ。
現在、JAグループや農業委員会組織が女性参画を進めているのは、こうした背景に基づくものだ。もちろん、地域にしても農業にしても、いまや男女共同参画なくして維持・発展は考えられない。女性が生き生きしている地域ほど活性化している。各組織が女性参画を進めるのは当然だ。だが、その認識にはまだ格差があり、女性参画の度合いには地域や組織によって差がある。各組織は、社会的責務としても積極的に取り組まなければならない。
同様に男女とも意識に格差がある。女性の力を生かすべきだとする男性が増えてはいるが、いまだに「女性は意識改革しているのに男性の意識改革が全然進んでいない」といった不満の声が女性から漏れる。ただ、女性の中にも参画に尻込みする人もいる。男性に意識改革を求めるのは当然だが、女性も男性と平等に社会を担う意識を持たなければならない。女性のJA参画も、協同活動による一人一人の成長を期し社会参画を促すもの。ひいては社会のためだ。だから、その推進は社会の責務だ。JA参画は、そうした認識を深めながら進めないと形だけになりかねない。
農山漁村女性の日は、制定の経過からしても農林漁業に従事する女性の法的な権利や慣行・慣習の中の地位、あるいは互いの社会参画の意識の検証など根源的なことを考える日である。単なる農山漁村の“女性賛歌”の日にしてはならない。改革への確かな歩みを誓う日だ。それは、後に続く農林漁業に従事する女性たちに対する責務でもある。










