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論説
農業の6次産業化/内需主導型経済の柱に
掲載日:2010-3-13 10:54:00

 民主党農政の柱の一つである「農業の6次産業化」の法案が閣議決定された。来年度予算案で示した補助事業と合わせて政策が出そろったが、内容は十分とは言えない。国会で野党の知恵も加え、政権が経済の成長戦略で目指す内需主導型経済の柱に据える意気込みで、さらに政策を充実すべきだ。

 6次産業化は、農業者(1次産業)、加工業者(2次産業)、流通業者(3次産業)が連携したり、融合したりして新たな業態(ビジネスモデル)を作り出して、農業者の所得を高めようという考え方だ。1×2×3または1+2+3で、6次と言っている。
 民主党はマニフェスト(政権公約)で「農山漁村を6次産業化し、活性化する」とした。政策集2009では、農林漁業サイドが加工や販売を主体的に進めたり、加工・販売業者が農林漁業に参入したり、集落などが1次・2次・3次産業の融合に新たに取り組むなどして、6次産業化を実現し、地域での雇用と所得を確保するとしている。農業者戸別所得補償制度と並ぶ農政公約の柱である。

 予算案に盛られた補助事業は、農業法人などの加工機械の導入、販売施設の整備、JAなどの直売所、加工施設、地域食材供給施設の整備を支援するなど新しく措置した予算もある。だが、内容は従来あった補助事業を寄せ集め、「未来を切り拓(ひら)く6次産業創出事業総合対策」としてまとめ、全体で131億円とした感が否めない。
 法案は、加工などに取り組もうとする農林漁業者や、新しい商品を開発するための研究開発に取り組む民間事業者を支援するため、事業計画の提出を条件に、法律上の特例措置を設ける内容だ。

 農業改良資金助成法、野菜生産出荷安定法、農地法などの特例措置で応援する内容だが、実効性は未知数だ。「基本理念」を設けて、6次産業化が地球温暖化防止に寄与することや、農山漁村の土地や水の有効活用を支援するとうたったのは評価したい。土地は太陽光パネル設置の補助事業を、水は水力発電を整備する事業を意識したといえる。

 しかし、政治主導を強調する割には内容が物足りず、新産業を地域に起こして定着させる強さが伝わってこない。地域資源の土地や水は、3次産業の観光にも活用できる。昨年末に政府が発表した新成長戦略(基本方針)は、需要創造型経済に転換するため、環境・健康・観光で100兆円超の新規需要を掘り起こすとした。

 内需主導型経済への転換を目指すなら、6次産業化を柱にすべきだ。同総合対策のうち、緑と水の環境技術革命プロジェクトは、10〜20年後に6兆円規模の新たな産業を創出するという政策目標を掲げている。100兆円のうち、6次産業化全体で目指す具体的な数値目標を明確にし、骨太の政策に仕上げるべきだ。

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