厚生労働省は、新発医薬品(新薬)と有効成分などが同一で、価格が安い後発医薬品(後発薬)の普及を、2008年度から本格的に進める。国民医療費は33兆円を超え、医療費のうち2割程度を薬剤費が占めるだけに、普及すれば医療費の抑制につながる。消費者にも利点がある。後発薬を選べば安価な分、薬剤費の自己負担分の支払いを少なくすることができる。後発薬の使用を考えてみてはいかがだろうか。
07年6月に閣議決定した「経済財政改革の基本方針2007」は12年度までに、後発薬の数量シェアを現在の17%から、30%に引き上げる目標を立てている。
新薬とは、新たに開発された医薬品。その特許満了(出願から20年。最大5年間延長可能)後に、他メーカーが製造するのが後発薬だ。研究・開発コストがかからないので新薬の3〜7割程度と安い。後発薬は、欧米では有効成分の一般名(ジェネリック・ネーム)で処方することが多く、ジェネリック医薬品とも呼ばれる。
後発薬の使用促進のために、厚労省はすでに06年度、病院が発行する処方せんの様式を変更。備考欄に「後発医薬品への変更可」の欄を設け、医師が変更を認めれば、そこにチェックをし、署名する様式を採用した。
しかし、後発薬に変更した処方せんの割合は低い。07年度の使用状況調査では、「変更可」欄に署名があったのは全体の17.4%。このうち、実際に後発薬が出された割合は8.2%しかない。
このため、実効性を上げようと、08年4月から処方せんの様式を再度変える。医師が使用を認めたくない場合だけ、処方せんの「変更不可」欄に署名する様式にする。署名がなければ消費者は後発薬を選べるわけで、処方せんの段階での障壁はこれまでより低くなるはずだ。
一方、後発薬は新薬と品質、安全性などが同等として厚労大臣が承認したものだが、医療関係者の信頼は必ずしも高くはないという。これについても、厚労省は07年10月、「後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム」を策定して、国や後発薬のメーカーが協力して品質確保や安定供給などの対策に取り組んでいる。
公正取引委員会は06年、消費者モニターにアンケート調査をした。消費者にも使い慣れた薬がいいという思いがあって、後発薬に変えることにはためらいがある。後発薬をどのような場合に選ぶかの問いには、「安全性や効き目に不安はあるが、医師や薬剤師から説明を受けて納得できた場合には選ぶ」との回答が8割近くを占めた。
患者の情報を持つのは医療関係者だ。消費者が知りたいこと、不安に思うことには説明を尽くしてほしい。後発薬の本格的な普及には、医師や薬剤師の対応も重要になる。









