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論説
ソバの里/地域挙げブランド戦略
掲載日:2008-2-21 11:45:00

 米の消費減少などから今後とも生産調整の強化が予想されるため、水田に何を作ったらよいか、大きな課題である。しかし、北海道幌加内町はソバに転作して日本一の産地を築きあげた。ソバを核とし、さまざまな取り組みを行い、ブランドを確立した。農業を生かした地域興しとしても注目される。

 幌加内町は米、バレイショ、酪農が主体だったが、米の生産調整を契機にソバの転作に踏み切り、毎年、面積を拡大してきた。現在の作付面積は2700ヘクタールで、同町全耕地の半分である。水田面積1520ヘクタールのうち水稲は443ヘクタール。生産調整率は70%と高率だ。ソバの生産量は全国の1割を占める。

 冷涼な気候、昼夜の寒暖差、夜の冷え込みと日中の温度差を和らげる朝霧の発生がソバに適している。夏が短いだけに2、3カ月の生育期間で収穫できるのが魅力的だ。

 ソバは発芽時の湿害に弱いため、排水対策が万全でなければならない。このため、中山間地域総合整備事業などで暗渠(あんきょ)排水や排水路などの生産基盤整備を進めてきた。安定生産のため、JAきたそらちは幌加内支所そば生産者部会を中心に施肥量、病害虫防除、適期収穫など生産技術の向上に取り組んでいる。自然乾燥に近い乾燥調整施設「そば日本一の館」を2000年に完成。5基のサイロ設備で4500トン近くが収容できるようになった。以前は収穫時期になると乾燥が順番待ちの状態だったが、この施設によって実が落ちる前の状態でいち早く刈り取り、乾燥できるため、ソバの品質を均一に管理できるようになった。食味、風味、品質とも高い評価を受けている。

 また、ソバは高齢者でも十分に対応できる。同町の人口は米生産調整が始まった1970年から5カ年間で40%以上の激しい減少率を示したが、ソバの作付面積が増加した90年以降は10%以下となり、過疎化に歯止めがかかっている。また、耕作放棄地も85年は243ヘクタールあったが、現在は24ヘクタールに減少している。ソバの効果は大きい。

 しかし、80年からソバ作付け日本一になったが、なかなかブランド化や知名度アップにつながらず苦しい時代が続いた。このため、同町は「日本一のソバの里」をスローガンにJA、農家、町民、行政が一体になってソバを核とした地域づくりを進めてきた。農産物加工、研修、そば打ち体験、各種のサークル活動など多目的な施設「アグリ21」を完成、ソバの普及推進の拠点となっている。幌加内ソバの知名度を向上させるため、毎年「新そば祭り」を開催。昨年は入場者数4万5000人に達した。同町人口の25倍が来場したことになる。

 ソバの自給率は20%で厳しい環境にあるが、今後とも品質の改善、安定生産のたゆまない取り組みによってブランド力の強化を期待したい。

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