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食ナショナリズム

(3)迷走/米確保で四苦八苦 先延ばし

 「ファストフード業界に、ごはんの小盛りをメニューに入れるようにお願いしている。できることは何でもやる」

  フィリピンのアーサー・ヤップ農相は17日、ロイター通信社のインタビューに応じ、不足が心配されている米の需要を少しでも抑えるため、政府が涙ぐましい努力を進めていることを明らかにした。

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  今、フィリピンでは、食料危機が現実になりつつある。

  同国は1000万トンの国内生産だけでは足りず、毎年200万トン近い米を輸入に頼る。世界の米需給が逼迫(ひっぱく)し、必要な輸入量が手当てできない可能性が強まってきた。

  アロヨ大統領自身がベトナムのズン首相に米の融通を懇願し、ヤップ農相は訪米して米国政府に融資付きの米輸出を依頼するなど、国を挙げて主食の確保に奔走した。しかし、米輸入のための国際入札は、応札数量が少なかったり、価格が折り合わなかったりで、計画量には達しない。

  食料危機が表面化したのは2月末。引き金はアロヨ大統領の側近であるジョエイ・サルセダ知事の発言だ。「近く米不足で食料危機を招くことは間違いない」。これでフィリピン社会は大騒ぎとなった。政府高官が連日、メディアや議会で「必要な米は確保した」と繰り返したものの、国民の間の不安を解消するには程遠い。逆に米の節約を外食産業に呼び掛けたことで、「そこまで深刻なのか」と疑心暗鬼も広がる。

  英字紙「マニラ・ブリテン」のメロディー・アギバ記者が食料事情を解説する。「今のところ政府が安心だと言っているので、消費者が直ちに買い占めに走るような事態は起きていない。だが、値上がりは著しく、貧しい地域では、安い配給米を入手するため、行列ができる事態になっている。その配給米も底を突きかけている」

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  「フィリピンの事例は米の値上がりが、国家元首クラスまで乗り出す深刻な段階にきていることを示す」。同国に本部を置く国際稲研究所(IRRI)のダンカン・マッキントッシュ広報部長は指摘する。

  4年前に日本や東南アジア諸国連合(ASEAN)が合意して生まれた「東アジア緊急米備蓄システム」に駆け込み、ベトナムとタイから2万5000トンの備蓄米を購入しようとしているのもその一環だ。

  毎日3万3000トンの米を消費するフィリピンにとって1日分に満たない数量だが、なりふりは構っていられない。国民に米が行き届かなければ、社会不安に直結しかねないという危機感が、必死の米手当ての背景にある。

  米貿易に詳しいタイ大手の米輸出業者、ビチャイ・スリプラサート氏は「これだけ品薄の時、フィリピンが要望するだけの米を国際市場で調達するのは難しい」と言う。数十万トンといわれる需給ギャップを埋められるかどうかは微妙なところだ。

  米を求めて迷走するフィリピン政府の姿からは、食を輸入に頼る国の危うさが伝わってくる。

◇近く米不足で食料危機を招くのは間違いない=フィリピン大統領の側近






 


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